脱腸(鼠径ヘルニア)Hernia

足の付け根から恥骨にかけての鼠径(そけい)部の筋膜が破れ、腸などの内臓の一部が皮下に飛び出す病気をいいます。いわゆる脱腸で、外科の病気では虫垂炎 (盲腸)とともに最も発症の頻度が高いとされています。加齢により筋膜がゆるむ中年以降に発症することが多く、8割近くは男性です。
40代以上では、鼠径ヘルニアの発生に職業が関係していることが指摘されており、腹圧のかかる製造業や立ち仕事に従事する人に多く見られます。便秘症の人、肥満の人、前立腺肥大の人、咳をよくする人、妊婦も要注意です。

日本では14万人と推定されていますが、多忙のため我慢していたり、「恥ずかしい病気」のイメージがいまだにあって。受診を渋っている潜在的な患者様もかなり多いと推定されます。

当院の手術方法

当クリニックでは、米国Kugel博士が開発した、キズが小さく、痛みも再発も少ない「クーゲル法(Kugel法)」手術を採用しています。

クーゲル法では、腹膜と筋肉の間にメッシュを入れます。この方法だと、腹圧(お腹の中の圧力)がかかると、メッシュはより強く筋肉に押し当てられ密着します。穴の内側にメッシュを入れて穴をふさぐのがクーゲル法です。

クーゲル法は局所麻酔で手術できるので、より体にかかる負担は少なくて済みます。
クーゲル方は下記のようなメリットがあります。

  • 痛みがより少なくてすみます
  • ヘルニアの再発率が低い
  • そけい管のシャッター機構の温存
  • そけい管を通る神経の損傷も少ない
  • 腹圧により、メッシュがより安定します
  • そけいヘルニアだけでなく、大腿ヘルニアの発症を抑える効果も期待できます
    (1枚のメッシュで外そけいヘルニア・内そけいヘルニア・大腿ヘルニアの3つの領域を網羅します)

人口シートを使うことで無理な緊張がかからなくなり、患者の負担が昔の手術法に比べ軽くなったため、「日帰り手術」が可能となりました。

当院ではさらに術後の合併症の少ないクーゲル法を採用することで、地域に最先端医療を提供しております。